「ホップ・ステップ・ワーイ!」と3rdライブ、叶った夢の先

リリースから結構時間が経ってしまったけれど、 福岡公演ディレイを見て「ホップ・ステップ・ワーイ!」について書きたくなりました。

 

 

「決めよう 次にしたいこと」
このタイミングで繰り出す曲として、あまりにも相応しい歌い出しでした。

 

試聴動画は敢えてスルーしていたので、発売日の6/30が初視聴。埼玉公演・大阪公演の余韻に浸り、きたる福岡公演に向けて完全に上の空だった時期です。
ここでライブの内容について多くは語りませんが、アニメの1期と2期、ひいては3年間のAqoursの歩みの集大成ともいえるライブでした。多くの方が、Aqoursもこんな所まで来たのか…と感極まったんじゃないでしょうか。
それと同時に、今回のライブは彼女たちの旅路の終着点を強く意識させるものでもありました。決勝の舞台で輝きを掴んだ「WATER BLUE NEW WORLD」。たとえ1人でも胸を張って進んでいけることを示した各ソロ曲……全てに「終わり」の匂いを嗅ぎ取り、どうしようもない寂しさに襲われました。
加えて大阪公演の翌週、6/22発売のBlu-ray第7巻特典「キセキヒカル」ですよ。「未来の僕たちはきっと答えを持ってるはずだから」に対する「キセキは起こると知ったよ あの頃の僕らへと教えてあげたい」という、完璧すぎる応答。なんだこれ。大団円じゃん。これがファイナルライブのテーマソングですと言われたって納得しちゃうよ。
そんな「終わり感」マシマシでナーバスになっている状況下で投下されたのが「ホップ・ステップ・ワーイ!」です。

 

「決めよう 次にしたいこと」
歌い出しで思い切り頭をブチ抜かれました。「終わり」を意識したりなんかしてモヤモヤしていたけど、Aqoursはもう「次」を見据えているんだ。どうなるかわからない明日へのワクワクでいっぱいなんだ。「Aqoursはまだまだこれからだよ!」と言ってくれているんだ。…そう思ったらもう一気にモヤモヤが吹き飛びましたね。


「一緒ならできるなんでも そう思ってるよ」
ここで言う「一緒」は当然Aqoursの9人ですが、「Landing action Yeah!!」同様ファンである私たちへ呼び掛けている歌だと考えれば、その範囲は広がります。作中の学校の生徒や町の人たち、そして現実でAqoursを応援するすべての人たちが含まれます。
 
「だってほらココにいるってさ そういうことさ」
「ココにいる」とはどういうことか。これも作中と現実のAqours両方に係ります。両方のAqoursが3年間積み重ねたものの上に立っている「イマ」です。作品内のAqoursラブライブ!で優勝して輝きを掴んだ状態と、現実のAqoursが3年間の集大成である3rdライブの舞台で立派にやり遂げた状態。その両方です。
つまり、この9人がいれば、そしてみんなの応援があれば、何だってできる!だってほら、ラブライブ!で優勝したんだよ!こんな大きな舞台でのライブツアーを成功させたんだよ!…的な意味ではないでしょうか。「No.10」にも通ずるものがありますね。
 
「だから叶った夢の先は あたらしい夢探しに行こう」
あまりにもさらっと「叶った夢」とか言うから、聞き流しそうになります。過去の輝かしい記憶に縋ることなく前に進んでいく9人の姿が目に浮かぶようです。
ここ、一人一人別々の道を歩き始めた彼女たちを表現しているようにも聞こえます。だって、ラブライブ!決勝で輝く彼女たちを、3rdライブのステージで輝く彼女たちを、目の当たりにしてしまったから。彼女たちはもう、一人でもじゅうぶん立派にやっていけるくらい成長したんです。各ソロ曲にはそれが顕著に表れていますよね。Aqoursが解散したあとの未来が想像され、再び「終わり」の気配を感じてしまいます。
だけど、2番のサビはこうです。

「もうずっと もうずっと 離れないって気持ちさ」
この文だけ取り出すと「離れていてもこの空は繋がっている」(2期12話)的な意味にも取れるけれど、ここまでの「みんながいれば何でもできる」という文脈を踏まえると、そうではなさそうです。一人一人でもじゅうぶんやっていけるほどに成長したんだけど、それでも、この9人でやっていく、やっていきたいんだ、という決意表明じゃないでしょうか。

この9人と応援してくれるみんながいれば、何だってできる。だからこそ、ここにいるみんなで、見たことの無い景色をもっともっと見にいきたい。これって、2期を、3rdを乗り越えた「今」だからこそ言える言葉なんですよ。今だからこそ説得力を持って語れる言葉、と換言できるかもしれない。例えば、2年前のメルパルクホールや、1年前のメットライフドームでこれを歌っても説得力はなかったでしょう。

1stシングルの「君のこころは輝いてるかい?」では、何が起こるかわからないけど、根拠なんて無くてもいい、とにかくやってみようよ!と歌いました。それから3年の時を経て「ホップ・ステップ・ワーイ!」で新しい明日への旅立ちを歌う彼女たちは、諦めずに駆け抜けた先に輝きが見つかることを既に知っています。根拠があるんです。

この先の未来がどうなるのかわからないのは、当時も今も同じです。でも、今のAqoursは、全力でぶつかれば運命の扉が開くことを知ったAqoursなんですよ。そんな9人が、一人一人でもじゅうぶんやっていけるほどに成長した9人が、それでも一緒に描く未来は。きっと想像もできないくらいすごいことになるはずです。

 

ぐだぐだ書きましたがまとめると、私はこの曲を聞いたことで「寂しがってる場合じゃねえ。そんなんじゃ今を楽しめない」ってメンタリティになれました。これからのAqoursに対してとても前向きな気持ちになれました。どうなるかわからない明日が本当に楽しみ。
去年の「Landing action yeah!!」では「ここにおいでよ」だったのが今年は「急がないと置いてくよ」になりました。なんとしても走って縋って追い付かなきゃいけない。この瞬間のことを、ココロに刻んでいきましょう。