虹ヶ咲3rdライブ直前の与太話

 「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 3rd Live! School Idol Festival ~夢の始まり~」ついに当日です。

 あまりにも状況が流動的で、もはや自分の席に座って照明が落ちて音楽が鳴り始めるまでは何も信用できないという心持ちですが。それでも、こうして無事に開催当日を迎えることが出来たわけです。

 まずは開催に向けて尽力してくださった各方面の方々に、最大級の感謝を。

 

みんなの夢を叶える場所

 虹ヶ咲の3rdライブは、図らずも「有観客で開催されること」自体がこれまでにないほど強く望まれるイベントとなりました。Aqoursつま恋は延期、Liella!のリリイベは無観客となり、いわばラブライブ!シリーズにとっての「最後に残った道しるべ」。

 私自身にもそんな気持ちが、現状に一矢報いてほしいという期待が無いわけではありません。無くはないのですが、一方で、そんなことまで背負ってほしくない、背負うべきではない、という矛盾した思いがあります。

 例えばスポーツ選手の方々なんかも、暗い世の中で俯いている私たちに「勇気や感動を与えたい」と言ってくれますけど、そんな台詞を言わせてしまっていることが釈然としないというか。「お気遣い頂きありがとうございます」という感じですが、いやいやまずは自分が楽しんでくれよと。その姿から何を受け取るかの「解釈」はこっちに任せてほしいと思うわけです。

 翻って今回の3rdライブ。後からどのように解釈されるかは置いといて、叶えた夢=「虹ヶ咲アニメ化」の先にある新しい夢=「アニメ準拠のライブ」を心から楽しんでほしい。「こんな景色が見たい」が叶う場であってほしい。キャスト・スタッフの皆さんにとっても、もちろん「あなた」にとっても。

 そのこと自体が、この”禍”に一矢報いる結果になる、という考えはあまりにナイーブでしょうか。

 

楽しみポイント

 今回、Day1は現地・Day2は配信で参加します。

 いつもはAqours 2ndの頃から連番している友人と一緒なので、行き帰りはずっとライブの話ができるのですが、今回は別々になってしまいました。そうでなくても、時節柄行き帰りの電車で談笑したり打ち上げを開催することは憚られます。

 なかなか「これが楽しみ!」という話を共有できず、非常にもどかしいので、ここで楽しみポイントを吐き出しておきたいと思います。

 

①アニメ再現の演出

 虹ヶ咲の先輩であるAqoursのライブでは、アニメ準拠の構成は見慣れたもの、というかAqoursの活動を経て「アニメ準拠のライブ」という形式が成立したと言えます。該当するのは1st、3rd、アジアツアー、それから5thです。

 過去の構成からある程度パターンは想像できます。1曲目はアニメのOPで、続けて全体曲を1-2曲やって挨拶。挿入歌の前にはアニメ映像を入れて盛り上げる。間にユニット曲なんかを挟みつつ、最後に派手な全体曲をやって退場。アンコールはアニメのEDと13話挿入歌。誰もが予想する、アニメを追体験できる安定の構成です。

 しかしながら、虹ヶ咲のアニメは挿入歌の位置という観点から考えると、これまでのラブライブ!のアニメと大きく異なります。

 サンシャインの場合、Aqoursメンバーが歌う挿入歌の初出は以下の通りです。挿入歌が入る回の間は大体2~3話空く感じです。

  1期)1話、3話、6話、9話、11話、13話

  2期)3話、6話、7話、9話、12話、13話

 一方の虹ヶ咲アニメ(アニガサキ)では、1~9話まで毎回挿入歌があり、2話飛んで12話と13話にも挿入歌が入ります。そもそも曲の数が倍近く、そのうえ1つ1つの曲に至る明確なエピソードが存在します。

 ゆえに、挿入歌1曲ずつに対して映像を挟んだ場合、ライブとしてはかなりテンポが悪くなるのでは?という懸念があります。流れを考えると、映像の使用はポイントを押さえたものにならざるを得ないはずです。フィルムコンサート形式もそれはそれで見たいですけどね。両方やってくれ。

 そこで演出のキーになるのが【応援出演】矢野妃菜喜(高咲 侑役)でしょう。現時点では矢野妃菜喜さんが会場にいること以外何も分かりませんが、何らかの形で演出に組み込まれていると思われます。

 例えば、「Dream with You」「Awakening Promise」に至る流れを大西亜玖璃さんと2人で再現するとか。各ソロ曲の前後に侑からのコメントが入るとか。

 逆に「ステージに一切立たない」というのもアリ。その場合、9人が「夢がここからはじまるよ」の口上を再現してくれた時にすさまじい説得力が生まれます。「あなたが私を支えてくれたように、あなたには私がいる」 でも「NEO SKY, NEO MAP!」で傘持って登場するくらいはお願いしたいです。見たい、見たいんだ。

 映像で見たいのは「VIVID WORLD」に至る流れ。11話を流して 「Awakening Promise」に至るのも、中だるみの恐れがあるけどカタルシスがすごそう。

 13話の小芝居が入ったらびっくりですけど、ベネチアンマスクを装着した前田佳織里さんが見たくないと言ったらウソになります。

 

②アニメ再現のステージ

 ステージの装飾はおそらく13話仕様になるはずですが、アニメの再現を目指すとき、「階段」と「ステージ2階」が必要になります。

 両方使うのが歩夢の「Dream with You」「Awakening Promise」ですね。1話と12話で使用されたキャナルコートの階段。歩夢にとって大切な始まりの場所ですし、階段を駆け上がるところから見たいです。

 ちなみに「Awakening Promise」のサビ前は、階段を思いきり駆け上がる感じだと思っています。振付が、ではなく概念として。

 ステージ2階から歌ってほしいのは「Poppin' Up!」「DIVE!」の2曲です。かすみは台によじ登って歌い始めますし、せつ菜も高所から圧倒的なパフォーマンスで魅せるイメージ。キャラクター的にも高いところがよく似合います。(バカというわけではなく…)

 「夢がここからはじまるよ」ではステージに大きな虹が架かるはず。

  余談ですが、劇中で自然現象としての虹を頑なに出さなかったことにはちゃんと意味があると思ってます。人間の力で架けるものであり、胸の中に架かるものであるという…後半はDA PUMPですが。

 

③曲に乗せる文脈~せつ菜と歩夢

 アニメ準拠のライブですから、当然文脈を踏まえた表現をしてくるはずで、その点はラブライブ!を信頼しきっています。なかでも注目したいのはせつ菜と歩夢です。

 

 まずせつ菜について。要は「CHASE!」を披露してほしいという話です。

  この曲は校内マッチングフェスティバルに始まり、1st、2nd、それからシャッフルフェスと、毎回披露されており、これらのライブを見てきた方ならすっかり慣れ親しんだものだと思います。

 しかしながら、1話で描かれた「CHASE!」のパフォーマンスには、これまでとは全く異なる文脈が乗っています。

   これまでの文脈というのは、スクスタから読み取れるせつ菜の話ですね。「大好き」を押し殺してきた日々から抜け出し「なりたい自分を我慢しないでいいよ」と歌う。誰もが「大好き」を叫ぶことのできる世界を作る、革命のはじまりの歌です。

   一方のアニメ1話。アニメ時空において、この曲がいつ・どのように作られたのかは描かれません。大事なのは歌われたシチュエーションです。

   自分が「大好き」を貫いたことが、自分の我儘が、同好会の崩壊を招いてしまった。絶望した彼女は、自らに対するケジメとして、1話のステージを最後にスクールアイドルから身を引く決心をします。

   そして、自分以外の誰かが再び同好会を立ち上げる未来を願います。「夢は『いつか』ほら輝き出すんだ」

   1話のステージには、せつ菜の悔悟と、そして一縷の希望がこめられています。そんな彼女の感情を、せつ菜に寄り添い続けてきた楠木ともりさんが無視するはずもなく。必ず表現してくれると信じています。私たちは見たことのない「CHASE!」を目の当たりにすることでしょう。

 

 歩夢については、ソロ曲「Dream with You」「Awakening Promise」の2曲は確定しています。注目したいのはこの2曲で「どう表現を変えてくるか」です。

   言うまでもなく、前者はスクールアイドルとして一歩踏み出した歩夢、後者は同好会の活動を経て成長を遂げた歩夢です。

   これまでのライブでは、大西亜玖璃さんの成長と歩夢の成長をある種重ね合わせることが出来ましたが、今回はひとつのライブの中で成長を表現するという、非常に難しい課題が与えられています。

   虹ヶ咲としての活動も気付けばずいぶん長くなり、ますます座長としての貫禄が出てきた彼女。2種類の歩夢をどう表現してくれるのでしょうか。非常に楽しみです。

  

④無敵級*ビリーバー

 これは披露されるか分かりませんが…無敵級のPVはアニメと地続きの世界観、ということでお願いしたいところ。お願いしますよ運営様。

 2ndのリベンジに期待するのもそうなんですが、我々はまだ観客がいる状態での「無敵級・笑顔のキラキラかすみん」を目の当たりにしていないわけですよ。

  ライブパフォーマンスは観客がいてこそ完成するものですが、特にかすみはその傾向が強い子です。是非とも完全体スーパーかすみんを見せてほしい。

 見たい、見たいんだ。

 

最後に〜私たちが出来ること

 作中の高校生たちはステージづくりや企画立案という形でライブに関わることが出来ましたが、現実の私たちは「制作側」に回ることはありません。

  ただし、こと今回に関しては、現地で参加する場合、客席側にもイベントの成否に関わる重要な役割が与えられています。言うまでもなく感染症対策ですね。ガイドラインには改めて目を通しましょう。

ラブライブ!シリーズ ライブイベントご来場のお客様へご協力のお願いと開催方針について

 また、5月8日~9日の埼玉は夏日が予想されるとのこと。熱中症対策も必要です。夏のメットライフドームを経験してきた各位には説明するまでもありませんが、兎にも角にも水分補給。

  つまるところ、「怪我をしない・させない」「愛と思いやり」の精神です。そのうえで、1人ひとりがそれぞれの形で最大限楽しめることがいちばん。

 

 さて、そろそろ会場に到着します。

  あの虹の先で、奇跡が待っています。楽しみましょう。